採用業界の縁の下の力持ち「関根さん」とは?

こちらのページでは、求人広告ライター協会代表である関根コウの人となりに迫ります!

関根コウといえば、知る人ぞ知る採用業界の第一人者。

その採用メゾットはどのように確立されていったのか?

周りから反対されながらも自分のやり方を突き詰め、その先に「戦略的」求人コピーライティングがあったのです――。

関根さん

物欲もない、勝ち負けにも興味がない関根さん。

塚本:それでは、まずは子ども時代のお話からお聞かせいただこうと思います。関根さんは幼いころどのような子どもでしたか?

関根:あ、そこから(笑)採用の話かと思ってたわ。

塚本:そうです!関根さんを理解するには、子ども時代から紐解かないとと思いまして。嫌でしたか?

関根:いやいや、大丈夫よ。まさか、子ども時代の話からすると思わなくて。でも、面白そうね。え〜と、そうだなぁ、子ども時代はね、ずっと旅人になりたいとか思ってた子どもだったよ。父が船乗りでね、いろんな国を船で旅するような生き方をする人だったから、家には、よくわからない各国の土産物が並んでいたりしてね。僕自身もいつも「どこかに行きたい」って妄想してた。

ちょうどそのころ、シルクロードってのが日本で流行っていたのよ。シルクロードって、ユーラシア大陸を東西に走る交易路ね。幼少期は、野球とかサッカーとか、そんなのよりもシルクロードが好きな、ちょっと友だちと話が合わない系の子どもだった(笑)

塚本:なるほど。ここじゃないどこかに行きたいと思っていたタイプなんですね。現実にあまり興味がなかったんですか?そういえば関根さんって、現実に興味がないからなのか、今もモノに対しての執着が少ないですよね。まな板も洗濯機もお持ちでないですもんね。

▲シンプルな関根さんのお部屋。本と漫画だけがたくさんあるようです。

関根:確かに、まな板も包丁も洗濯機もない(笑) ん〜、物に執着ないというか、セルフネグレクトなんだと思うし、人からも言われる。自分のために何か買ったりするのがすごく苦手なんだよね。欲しいものはあるの。でも、買うまでに「本当に必要かどうか」ってすごい考えてしまって、この前なんて、仕事で使う付箋を買うのに2週間くらい悩んでたわ。

塚本:あ、それTwitterで拝見しました。付箋一つを買うのに悩む、セキララな呟きをされてましたね。でも、さすがに洗濯機は必要なモノだとは思いますが……モノを買うのが苦手なんですね。

関根:ケチなのかと思う時期もあったんだけど、他人にモノを贈るとかはめっちゃ好きなんだよね。いつも誰かにプレゼントしてる気がするし。

塚本:確かに、そうですね。

関根:剣道も幼稚園から高校2年まで続けていたんだけど、勝負事にも興味が持てなかったな。

塚本:剣道をされていたんですね。それも結構長い期間ですね。

関根:そうなの。たまたま入った幼稚園が剣道教育に力入れ始めちゃったから、始めたの。勝ち負けとか全然興味ないのに、大変だったよ。

NGO活動で見た、サーカスで変わっていく文化。

塚本:モノにも勝ち負けにもあまり興味がないとのことですが……大学卒業後、NGO活動をされていたんですよね。こちらの活動はかなりの興味や熱意がないと出来ないような。

関根:お、子ども時代から一気に大学時代に来たねw

そうそう、ちょうどね、僕が20歳くらいのころだったのよ、9.11が。今の20代って9.11って言ってわかるかしら?

塚本:はい、たしか、9.11……アメリカ同時多発テロ事件の影響でアフガニスタン紛争が始まったんですよね。

関根:そう。9.11の映像を見て漠然と「何かしなくちゃ」とモヤモヤしていた。

そんな時に、大学の先輩からアフガニスタンのNGOの手伝いをしない?と誘われて、仕事も何もかもほっぽりだして、NGOの事務所に寝泊まりしながら活動を始めたんだよね。

具体的には、JAPAN MMCCという国際NGOが立ち上げに参加しました。サーカスを通じて子どもたちに教育と食事を支援をする活動って感じかしら。

JAPAN-MMCC Official Web Site

関根:アフガニスタンは長く内戦を続けていたから、2002年当時、子どもの教育なんてほぼ行われていない状況だった。親も、子どもに手を洗うことさえ教えていない。だから、手を洗わずにパンを食べた子どもが、翌日ばい菌で死んでしまうような状況だった。だからまずは、基本的な生活を送るための教育が必要だったんだよ。

塚本:でも、アフガニスタンの子どもたちにどのように教育したんですか?手を洗いましょう!とだけ伝えたところで、浸透しないでしょうし……。

関根:そう、紙もペンもない、子どもたちは読み書きもできないし、先生も戦争で死んでしまった。じゃあどうするか? サーカスで伝えよう!となったの。

塚本:サーカス! どういうことでしょう。

関根:サーカスを通じて、手を洗わないと病気になるんだぞ、ということを大人が演じて伝えていったの。子どもたちはエンターテインメントを初めて見たから楽しんでくれて。

サーカスの効果は、生活習慣を正すことだけじゃなかった。かっこよく演じている役者を見て「彼らみたいに私もなりたい」と子ども達から役者を志願する人が出る。サーカスの輪が広がって、年上の子たちが年下の子たちの面倒をみるようになる。人が人を大切にするという図式が自然とできるようになった。

塚本:壮大なプロジェクトですね……!

関根:それだけじゃない。それまで、子どもたちにとってのヒーローは、戦争で敵国に爆弾を落とす人とか、銃を持って勇敢に戦うとか、仇を打つとか、そういう大人だった。それが、みんなの前で舞台に立って演じるパフォーマーが、新しい憧れのヒーローになっていったんだよ。

塚本:文化が変わっていく様子を間近で見る、ものすごい経験をされたんですね。

関根:でも僕自身は、大層なことを考えて活動を続けていた訳じゃない。誰かの役に立ちたいとかって訳じゃなくて、たまたまNGO活動を手伝い始めて、アフガニスタンの子どもたちと友達になったの。仲良くなった友達が目の前で困っていたら助けたいと思うでしょ。目の前の友人を助けたいって思いで、結局、NGOとしての活動は3年続けたかな。

ひょんなことから入った採用業界。業界入りのきっかけとは

関根:NGO活動は順調だったんだけど、僕個人の私生活は完全に無収入というか、事務所に寝泊まりしてたから家もなくてね。超貧乏だったのですよ。なので、ある程度、区切りをつけてから、社会人としてのスタートを切ったのは、時給950円の求人広告を作るアルバイトからだった。

塚本:あ、ここで初めて採用に関わることになったんですね。なぜ求人広告を作るアルバイトを選んだんですか?

関根:イラストレーターとか、フォトショップとかが使えたからだっていえば、聞こえはいいんだけど、正直、どこも受かんなくて、たまたま求人の会社で拾ってもらえたんだよね。

2006年頃、求人広告会社はそういったデザインツールが使えないと入社できなかったんだ。たまたまNGO時代にデザインを作れる人が必要で、ツールの勉強をしていたから、そのスキルを使って入社できたんだよね。

塚本:関根さんの普段の原稿完成までのスピードの早さは、ここで鍛えられたんですかね?

関根:そうね、当時のタウンワークは、若くて面白いライターがいっぱいいたので、面白かったよ。

その後もね、なんだかかんだ他の会社に引き抜かれたり、色々してて、最終的には超ブラック企業に入っちゃって、毎日3時間睡眠を3年間。月に320本くらい、朝から朝まで作ってたわ。スピード感に磨きがかかったのはそのあたりかな。

コピーライターからコンサルタントになった転換点……職人畑を抜け出した

塚本:求人広告を書くコピーライターだった時代から、現在のコンサルタントになる転換点がどこかにあるんですよね?

関根:2011年に、制作マンとして正社員になったんだけど、そこでコンサルに繋がる出来事があったかな。

その時の職場では、クリエイターが営業に馬鹿にされていたんだよね。「クリエイターはロジックなんて持ち合わせていない、センスで求人コピーを書いてるんだろ?」って。

でも実際のところは、クリエイターも感覚でコピーを作っている訳じゃなくて、ロジックを持ってコピーを作っている。ただ、クリエイター達はロジックを言葉に出さないから、ロジックがないように見えているだけ。クリエイター達は「俺の言うことを聞いてればいいんだよ」という職人気質だったから、営業とクリエイターの議論は交わらなかった。

そこで僕はロジックをお客さんに説明できるクリエイターになった。どういう意図で原稿を作ったかプレゼンテーションすることにしたの。

塚本:具体的に、仕事のやり方にはどんな変化があったんですか?

関根:求人情報の検索エンジン上で、現在クリック単価何円でどれだけ表示されています、みたいな数値を見るようになった。

あとは、一度失敗したコピーがどこがダメだったか分析して、次に生かすようになったり。例えば「未経験」をターゲットにして出したコピーが受けなければ、ターゲットを「シニア」に変えて試してみましょうと言ってみるとか。

これらの、数字を見ることやトライアンドエラーを繰り返すことは、今は他のコピーライターもやっている人はいるけど、2009年頃は誰もやっていなかったの。

その当時のクリエイターが誰も見ていなかった数字や実績を根拠にして、ロジックの説明できるコピーの作り方に変えていった。クリエイターでありマーケティングもできる人間になった。

塚本:先輩ライターさんに教わった方法とは違うやり方をとったんですね。

関根:そうだね。だから先輩方から反発もあったなあ。

でも、僕にはクリエイターとマーケターの両方の視点を持つやり方がしっくり来たんだよね。

コピー作りという「実践」もできる、「理屈」も話せる戦略的なコピーライターになったことが、今のコンサルタント事業に繋がっていったかな。

採用業界から引退してタイ焼き屋になりたかったけど…その前に。

関根:実は一度、採用業界からは離れようと思ったの。タイ焼き屋になろうかと思って。

塚本:タイ焼き屋!?

関根:何分焼けばこの焼き具合になるのか…とか考えるの、俺好きだと思うんだよねぇ…。

でも、どうせ採用業界から離れるなら、今までのノウハウをすべてWeb上に落とし込もうと思って始めたのが『響け!求人広告ライターの本音』

塚本:私も拝読しました。しかし、実のところ、あんなに関根さんの知識を公開しちゃっていいのかな……なんて思ってしまいました。あちらのサイトを見れば、どのような求人広告を書けば良いかがよく分かるので、ゆくゆくは関根さんのお仕事がなくなってしまうんじゃあ……。

関根:知識を公表するのは全然問題ないよ。僕は、「ノウハウに価値はない」と思ってるから。だって今の時代、情報はインターネット上のどこかに転がっているでしょう。

でも、同じ情報を与えられていても出来る人と出来ない人がいる。例えば、おいしいパスタの作り方を一流シェフが教えている動画があるけど、一流シェフの作り方を真似ても再現しきれないでしょ。

知識として分かっていても、完璧には同じものにするには技術を磨かないとね。スキルは他人から奪えるものじゃないんだ。

塚本:あ、だから普段のお仕事で、お客さんに教えるだけじゃなく、実践をしてもらうスタイルをとっているんですね。コンサルタントとしてお客さんと併走するけど、いつかお客さんだけでも走れるようにスキルをつけてもらう。

関根:そう。だから、僕とお客さんの契約が終わるときは、お客さんだけでも自走できるようになった時なの。

そもそも、人が一生に作れるコピーの数なんてたかが知れてるから、ノウハウを独り占めしようとは思っていない。僕が身につけたノウハウが広まっていって、採用業界みんなのパフォーマンスが良くなればいいなと思ってる。

だから、僕の夢は12兆円の採用市場を6兆円までコストカット!

僕のやり方を取ることで採用にコストがかからなくなるからね。

まずは3か月、僕に腕試しさせてもらえませんか?

現在関根は主に採用コンサルタントとして、中小企業のお客様を中心に採用活動のサポートをしています。応募をかけても人が集まらないという会社の人事部と併走し、まずは入社希望人数を増やすところから。その後、面接の改善や入社後の定着までワンストップで携わります。

採用業界で様々な業種の仕事と関わってきた知見を惜しみなく企業にインプットし、企業が採用コストをできるだけ抑えて自走できるようになる、というのがゴールです。

塚本:普段のお仕事で、新規のお客さんとのお仕事は最初の3カ月で一度区切って、このまま契約を続けるか確認をされていますよね?あれは何故ですか?

関根:僕、一度離婚歴があるからさ……もう向こうが別れるって決めているのに一緒の屋根で暮らしているのって辛いんだよ(笑)

効果が出ていないな、やり方が合わないなと思ったら切っていただいて良いんです。ただ、まず3カ月、僕のやり方で試させてもらえたらなと思っています。

塚本:東京を拠点としていますが、コロナが終わったら地方各地に行きたいという願望があるんですよね?

※2021年夏現在も、一般社団法人 求人広告ライター協会ではオンラインミーティングツールなどを使って全国各地の採用活動を応援中!

関根:各地の美味しいご飯や文化に触れたいんです。地方での講演等もお待ちしております!

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