株式会社小西 代表取締役社長 小西陽様インタビュー

面接ゼロから掲載18日で10名応募・3名が選考へ。
人口約5万人の街で1名採用した取り組みとは?

人口約5万人の香川県観音寺市で、グラウンドやテニスコート、ゴルフ場など、用途に合わせたブランド砂を製造・販売する株式会社小西。現場の社員4人が全員60代となるなか、ハローワークでは応募がなく、Indeedでも応募が面接につながらない状況が1年間続いていました。

そこで求人広告ライター協会に相談し、求人原稿や採用の進め方を見直したところ、掲載18日間で10名の応募があり、3名と面接。そのうち1名の採用に成功。小西陽社長に、採用活動の工夫や入社後の受け入れについて伺いました。


株式会社小西
代表取締役社長 小西 陽様

香川県観音寺市に本社を置く、建設・土木資材の製造・販売会社。海砂、真砂土(花崗土)、山砂、砕石などを扱い、用途に応じた砂や土の加工にも対応している。1961年に砂利採取販売業として創業し、現在まで65年にわたり事業を続ける老舗企業。小西 陽社長は3代目にあたる。

株式会社小西公式サイト


【採用課題・状況】
現場の社員4人が全員60代となり、後継人材の確保が急務であった。
ハローワークやIndeedに求人を出しても採用に至らず、その状態が1年間続いていた。

【導入背景】
小西社長は、当協会代表・関根の採用セミナーに参加。
学んだ求人の作り方を自社で試してみたものの、応募につながらなかったため、当協会に相談した。
関根は支援期間を6カ月と定めたうえで、採用支援を引き受けた。

【具体的な施策】
仕事内容や作業の流れを丁寧に聞き取り、1日の仕事の流れを求人原稿に反映。
観音寺市内だけでなく隣接する愛媛県や徳島県から集まるように、地域名や通勤情報を盛り込んだ。
応募者対応や内定後のフォローもあわせて支援した。

【採用効果】
実掲載18日間で10名の応募があり、3名と面接。
そのうち40代の男性1名を採用できた。狙いどおり市外・県外からの応募も多数あった。


現場の高齢化が進み、次世代の採用が急務に

──ご依頼いただく前の採用状況を教えてください。

現場の従業員は4名で、全員が60代でした。私が一番若く、以前は40代の社員もいたのですが、退職してしまったのです。このままでは現場を支える人材が先細りしてしまう。そうした危機感から、採用に取り組んでいました。

まずハローワークに求人を出しましたが、応募はゼロ。その後、Indeedの代理店から掲載プランの提案を受け、費用をかけて掲載。しかし、応募があっても面接に来てもらえず、採用には至りませんでした。

次に費用を倍にして露出量を増やしましたが状況は変わらず。こうした状態が1年ほど続き、次第に焦りを感じていました。

 

──求人広告ライター協会を知ったきっかけは何ですか?

観音寺商工会議所から案内をいただき、求人広告ライター協会代表の関根さんの講演に参加したことがきっかけです。以前から講演の案内は何度かいただいていたのですが、なかなか参加する機会がありませんでした。

そんな中、今回の「求職者の心をつかむ求人広告の作り方」というテーマが目に留まりました。当時は人材の採用に苦労していたこともあり、「一度話を聞いてみよう」と思ったんです。

講演では、求人広告の書き方や募集の方法に加え、内定後の受け入れ体制や入社までの流れについても学びました。特に印象に残ったのは、採用は求人を出して終わりではないということです。入社する方を迎える体制を整え、長く働ける環境をつくることも大切だと感じました。

それまでは会社側の視点に偏っていたことに、改めて気づきました。講演をきっかけに、求職者の立場から自社の採用を見直し、その視点を生かして求人記事も自分で作成しました。

 

自社の魅力を伝える難しさを実感。期間が明確な支援に安心

──自分でつくってみていかがでしたか?

教わったことを理解するのと、実際に求人原稿に落とし込むのは別でした。自社の魅力や仕事の内容を自分なりに文章にしてみたものの、うまく表現できず、応募にもつながらなかったのです。

社内にいると当たり前になっていて、自分たちでは気づきにくい魅力もあるはずです。外部の人に客観的に見てもらえば、自社の魅力を求職者に伝わる形に整理できるかもしれない。そう考え、外部の力を借りることを検討するようになりました。

 

──以前、代理店に依頼した際には思うような結果が出なかったとのことですが、当社に依頼するのも不安だったんじゃないですか?

そうですね。講演を聞いてから、実際にお願いするまでには1カ月ほど考える時間がありました。コンサルタントに依頼しても、期間が決まらないまま費用だけかかるのではないかという警戒心があったんです。

依頼するなら、自分から支援してもらえる期限を決めたほうがいいとも思っていました。そんな中、関根さんから「6カ月間」と期間を示していただけたので、安心してお願いすることができました。

 

現場の仕事を丁寧に聞き取り、求人原稿に反映

──掲載後の反応はいかがでしたか?

掲載を始めたのは2026年8月3日です。お盆の1週間は応募への対応が難しかったため、その間は求人を止めていました。実際に掲載していたのは18日間で、10名の応募がありました。そのうち3名と面接し、1名の採用が決まりました。

観音寺市は人口約5万人ですし、これまでなかなか応募がなかったこともあって、採用までには半年くらいかかるかもしれないと思っていました。それだけに、予想より早く採用が決まり、正直「こんなに早く決まるのか」と驚きましたね。

もう一つ意外だったのは、応募経路です。Indeedからの応募が中心と思っていましたが、応募者の3名はハローワーク経由でした。以前はハローワークから問い合わせがあったものの、最近はほとんどなかったため、驚きました。Indeedと同じ内容の求人をハローワークでも掲載したことが、応募につながったかもしれません。

応募者への連絡や、採用・不採用を伝える文章についても制作を担当してもらった I さんに相談できました。内定後もフォローしていただき、採用活動に慣れていない私にとって、とても心強かったです。

 

──担当者の I さんとのやりとりで、印象に残っていることはありますか?

うちの仕事は少し特殊で、私自身も、どう説明すれば伝わるのか迷うことがありました。担当者の I さんは、初めて聞く人にも仕事の内容がわかるように、機械のことや作業の流れを何度も確認してくれました。専門用語をそのまま使うのではなく、求職者に伝わる表現にしようと丁寧に聞いてくれたことが印象に残っています。

求人の見せ方についても、募集職種を「砂の製造スタッフ」とするだけでは伝わりにくい仕事のスケールや、重機を扱うダイナミックさを伝える提案をしてくれました。「巨大な砂場」という表現は、私も「これはすごい」と思いましたね。仕事の珍しさや、ここで身につく技術も含めて、当社ならではの魅力を引き出してもらえたと感じています。

入社した方からは、求人に書かれていた1日の仕事の流れがよかったと聞きました。入社後の働き方をイメージしやすかったそうです。求職者の目線に立って、仕事内容を具体的に伝えてくれたことも印象に残っています。

また、応募者の居住エリアを広げる工夫についても相談しました。四国のほぼ中央部に位置する立地を生かし、香川県内だけでなく、愛媛県や徳島県など周辺地域の方にも求人を見てもらえるよう、地域名や通勤に関する情報を原稿に盛り込んでもらいました。実際に市外や県外からの応募もあり、こうした工夫も生きたのだと思います。

 

重機への思いと幅広い経験を持つ40代が入社

──具体的に、どんな人が採用できたのでしょうか?

採用したのは40代の方です。子どもの頃から重機に乗ることが夢で、以前にも重機を扱う仕事を経験されていました。業務に必要な免許も複数持っていました。

大手企業でいくつかの工場を任される職長として働き、工場長への昇格の話も出ていたそうです。ただ、ご本人は管理職になるより、現場の仕事を続けたいという希望を持っていました。責任が増える前に転職したいと考えていたと聞いています。

資格や経験も大切ですが、最終的には人柄と意欲を重視しました。面接で話す中でも、「現場で重機に乗りたい」という思いが伝わってきましたね。内定から入社までは約1カ月ありました。その間、見学も含めて2、3回会社に来てくれたんです。仕事内容や納入先について説明し、現場だけでなく会社全体の仕事を知るオールラウンダーになってほしいという私の思いも伝えました。

本人も前向きに受け止めてくれたようで、今後が楽しみです。将来、会社を支える存在になってくれたらありがたいですね。

 

入社後は一人に任せきりにせず、みんなで育てる

──入社後の受け入れで意識したことはありますか?

入社前に、現場の60代の先輩4人と時間をかけて話し合い、受け入れ方を相談しました。本人の仕事への意欲が伝わっていたので、その気持ちに応えられるよう、みんなで育てていこうと考えたんです。

わからないことをその都度聞ける環境にするため、教育担当を一人に決めず、先輩4人全員で教えることにしました。誰かが忙しいときも、ほかの人に相談できます。仕事に慣れるまでは、日ごとに違う先輩の隣についてもらい、いろいろな人から仕事を学んでもらっています。入社後すぐに先輩たちとも打ち解けてくれたので、よかったですね。

機械の操作だけでなく、製品をどこに納め、どのように使われているのかも知ってほしいと思っています。現場の仕事に加えて会社全体の仕事も理解してもらい、いずれは採用業務も任せたいですね。若い人材を採用する際、年齢の近い社員が担当すれば、応募者も話しやすく、気持ちに寄り添えると思います。

 

果報は寝て待ってもやってこない

──今回の採用を通じて、感じたことを教えてください。

求人を出すだけでなく、自社の仕事をどう伝えるか、入社した方をどう迎えるかまで考える必要があると学びました。以前は自分たちで求人をつくっていましたが、仕事の魅力を客観的に整理して、求職者に伝わる文章にするのは簡単ではありません。

採用は待っているだけでは進まないんだと思います。今回、本当に感じたのは「果報は寝て待っていてもやって来ません」ということです。私の場合、講演で話を聞くだけで終わらせず、関根さんに相談して、求人の作り方や採用の進め方を見直しました。自分のやり方にこだわらず、専門家の提案を受け入れて、一度やってみようと考えたことが、早い採用につながったのだと感じています。

周囲の経営者に今回のことを話すと、「たまたまでは」と言われることもあります。タイミングの影響もあったでしょう。それでも、自分から動いてやり方を変えたことで、新しい方との出会いにつながったんだと思います。

 

──取材にご協力いただき、ありがとうございました。

ありがとうございました。

 


<編集後記>
人口規模が限られる地域でも、求人原稿の表現や内定後・入社後のフォローを工夫することで、採用の可能性を広げられます。未経験者が働く姿をイメージできる表現になっているか。受け入れ体制は整っているか。自社内だけでは見つけにくい改善点を、当協会のスタッフが一緒に見つけ、整えていきます。