【インタビュー】「はままつ子育て世代活躍企業コンテスト」大賞受賞・浜松倉庫株式会社様

子育て世代が安心して働ける会社を、社員とともにつくる

〜「はままつ子育て世代活躍企業コンテスト」大賞受賞・浜松倉庫が続ける職場改革〜

 

2025年7月・8月、当社主催の「子育て世代人材 採用力強化セミナー&相談会」を全4回にわたって開催しました。このセミナーにご参加いただいた企業様のうち、3社が「はままつ子育て世代活躍企業コンテスト」において、見事受賞されました。

受賞企業の皆様は、子育て世代が働きやすく、活躍できる職場づくりに向けて、社内でどのような取り組みを進めてきたのでしょうか。今回は、その具体的な取り組みや工夫について、受賞企業の皆様にインタビューさせていただきました。

 

人口減少が進み、人材の確保が難しくなるなか、地方企業は「選ばれる会社」になることが求められています。その鍵となるのが、子育て世代が安心して働き続けられる職場づくりです。今やそれは、福利厚生ではなく、会社の未来を左右する経営課題になりつつあります。

創業120年を迎える浜松倉庫株式会社も、そうした危機感から、約20年前に女性の現場採用へ踏み切り、子育て世代を支える制度や働き方を見直してきました。その根底にあるのは、「会社を150年、200年と地域に残していく」という経営理念です。

こうした取り組みが評価され、同社は2025年に開催された第1回「はままつ子育て世代活躍企業コンテスト」で大賞を受賞しました。制度を充実させるだけではなく、社員主体の業務改革やDXによって生産性を高め、その成果を社員へ還元する──。子育て支援を経営戦略の一つとして実践してきた背景について、代表取締役社長の中山彰人氏に話を伺いました。

 

地域とともに歩む総合物流企業

──まずは、御社の事業内容について教えてください。

当社は、浜松と袋井を中心とした静岡県西部エリアで、総合物流事業を展開しています。主力は倉庫業と運送業で、地域に根ざして事業を続けてきました。関連会社では、地ビールレストラン事業や駐車場事業なども行っています。地域の中で必要とされる役割を担いながら、来年で創業120年を迎えます。

──中山社長が就任されてから、新たな物流拠点として都田流通センターを開設されています。どのような背景があったのでしょうか?

東日本大震災をきっかけに、災害が起きても事業を止めず、早期に再開できる体制を整える必要があると考えました。当社は海沿いにも大きな拠点を持っているため、津波などの被害に備え、内陸部にも物流拠点を設けることにしたのです。いわゆる「BCP(事業継続計画)」の一環です。

また、当時は新東名高速道路が開通した時期でもあり、今後は沿線の物流需要が高まると見込んでいました。そこで、災害時のリスクを分散するとともに、新たな物流需要にも対応するため、この地区への進出を決めました。

こうして、2019年7月に都田流通センターの第1期棟を開設。その後、2025年10月には第2期棟が完成しています。第2期棟では、AIやロボットを活用して作業の効率化や省人化を進める「DX(デジタル技術を使った業務や仕組みの変革)」と、省エネルギーや環境負荷の低減を目指す「GX(環境に配慮した事業への転換)」を取り入れています。

こうした設備や仕組みを生かしながら、医療機器や精密機械など、新たな物流分野にも事業を広げています。これまでの倉庫業の枠にとどまらない、次の時代の物流の実現に取り組んでいます。

 

2026年で、代表取締役として14期目を迎える中山彰人社長

 

人口減少時代を見据え、生産性を維持できる組織づくりへ

──将来にわたって事業を続けていくために、人材確保や組織づくりをどのように進めてきたのでしょうか。

物流業界全体で見ると、ネット通販やBtoC市場の拡大もあり、今後も需要は伸びていくと思います。

ただ、地方の中小企業にとって最も大きな課題は、生産性をどう維持していくかです。人口減少が進み、人材の確保が難しくなる中で、人を増やすだけでは事業を続けることはできません。限られた人数でも、しっかりと会社を回していける仕組みをつくる必要があります。

経営者として一番大切なのは、会社を継続させることです。当社は来年で創業120年を迎えますが、この会社を150年、200年と次の世代へつないでいくには、何が必要なのか。それが私にとって最大の経営課題です。

この課題に向き合うため、当社では約20年前から採用のあり方を見直してきました。先代の時代に、物流業界ではまだ珍しかった女性の現場採用を始めたのです。当時はリフトオペレーターは男性が担うのが一般的でしたが、採用対象を女性にも広げることで、人材を安定的に確保し、生産性を維持できる組織の基盤を築いてきました。

その後も若い人材の採用を続けたことで、現在の平均年齢は34歳となり、社内には子育て世代も増えています。この世代が安心して働き続けられる環境がなければ、会社は成り立ちません。たぶん、それは地方に根ざした企業であれば同じ状況だと思います。そうした危機感から、女性が活躍し続けられる環境の整備や、子育て支援にも力を入れるようになりました。

 


持続可能な企業を目指し、他社に先駆けて女性を採用。その延長に子育て世代が活躍できる環境を整備

 

社員の声をもとに、時代に合わせて使える制度に磨き続ける

──昨年、第1回「はままつ子育て世代活躍企業コンテスト」で大賞を受賞されました。どのあたりを評価されたと感じていますか?

一番評価していただいたのは、子育て支援制度の数ではなく、社員の声を聞きながら、時代やニーズに合わせて制度を進化させ続けてきた姿勢ではないかと思っています。

当社では、一度制度をつくったら終わりではありません。毎年、子育て世代の社員と話し合い、「今、本当に必要な支援は何か」を考えています。その中で、新しい制度を導入することもあれば、時代に合わなくなった制度は見直すこともあります。そうした積み重ねが大賞の受賞につながったのではないでしょうか。

その根底にあるのは、1907年の創業以来変わらない考え方です。この地域で事業を続けるためには、従業員だけでなく、その家族も大切にしなければならない。その思いから、従業員の子どもの小学校入学時にはランドセルを贈るほか、従業員の誕生日にはご家族へ花を贈る取り組みを続けてきました。

さらに近年は、社員のライフスタイルの変化に合わせて制度を充実させています。2023年には、結婚や出産に加え、従業員の子どもが中学校、高校、大学・専門学校へ進学した際にも祝い金を支給する制度を導入しました。また、男女平等の観点から配偶者手当を廃止し、その分、子ども手当を拡充しています。扶養する学生であれば、満22歳まで毎月支給しています。

男性の育児参加への支援も進めています。「産後パパ育休(出生時育児休業)」は 2022年に国の制度として施行されましたが、当社では2023年に初めて男性社員が取得しました。

現在は、子どもの誕生を報告した社員には各所長などを通じて制度を案内し、取得を勧めています。対象となる男性社員は現在のところ全員が取得しており、取得率は100%です。家庭の状況に応じて、1週間程度の休暇を複数回取得するなど、それぞれの家庭に合わせた形で活用されています。

さらに2025年度からは、残業によって発生する延長保育料を会社が負担する「延長保育手当」を新設しました。短時間勤務制度も小学校卒業まで利用できるようにしています。

こうした制度や職場環境の改善を積み重ねてきた結果、社員の定着率は大きく向上しました。

産休・育休を取得した社員も安心して職場へ復帰できるようになり、制度を利用することが当たり前の文化も根づいています。社員の声を聞きながら改善を重ね、誰もが安心して長く働ける職場をつくり続けてきたことを評価していただけたのではないかと思っています。

 


従業員の声を受け、2026年度に新たな福利厚生制度を2つ導入。いずれも従業員から好評を得ている

 

大賞受賞が、社員の自信と次の挑戦につながる

──コンテストに先立ち、浜松商工会議所の子育て世代支援セミナーを受講されています。参加されたきっかけを教えてください。

セミナーを受講したきっかけは、人事総務課長から「こうしたセミナーがあるので、担当者を参加させたい」と申し出があったことです。私自身が指示したのではなく、現場から自発的に上がってきた提案でした。

ちょうど前年に入社した大卒の女性社員が人事を担当していたため、子育て世代への支援について学ぶ機会にしたいという意図もあったようです。現場から出てきた提案だったので、「ぜひ行ってきてください」と送り出しました。

──大賞を受賞されたことで、社内外からはどのような変化や反響がありましたか。

社外では、「すごくいい会社ですね」と声を掛けていただいたり、「どのような考え方で取り組んでいるのですか」と質問を受けたりする機会が増えました。

ただ、私たちとしては、子育て支援だけを評価していただいたとは考えていません。出発点にあったのは、会社がこの地域で生き残り、事業を継続していくために、一人ひとりの生産性をどう高めるかという課題意識です。その課題に向き合う中で、業務改革やDXを進め、女性が活躍できる環境や子育て世代を支える制度も整えてきました。

当社は、業務改革が評価され、「DX Selection 2024」でグランプリを受賞しています。そのご縁から、現在は全国各地でDXに関する講演を行っており、その中では、人事評価や子育て支援についてもお話ししています。その結果、経営全体の取り組みとして関心を持っていただけるようになったと感じています。

社内では、社員のモチベーション向上にも結びつきました。自分たちが進めてきたことを外部に評価していただけたことで、「これまでやってきたことは間違っていなかった」という自信につながったと思います。

当社では、外部のコンサルタントに頼ることなく、社員自身が考え、試行錯誤を重ねながら制度や仕組みをつくってきました。今回の受賞は、そうした社員主体の取り組みが認められたという意味でも、大きな励みになりました。

 

第1回浜松市のはままつ子育て世代活躍企業コンテスト大賞の賞状と盾

 

「当たり前」を見直し、生まれた余力で新たな事業を拡大

──「DX Selection 2024」でグランプリを受賞した業務改革について、具体的に教えてください。

業務改革で一番大切にしたのは、「今まで当たり前にやってきたことは、本当に必要なのか」を一つひとつ見直すことでした。

例えば、紙やFAXを使った業務をすべてなくし、データでやり取りできる仕組みに変えました。これは、社内だけでは実現することはできません。取引先にもご協力いただき、データやメールで受け取る方法、あるいは当社のシステムを利用していただく方法など、複数の選択肢を用意しながら、約170社の取引先と一緒に改善を進めました。

また、固定電話も代表番号以外はなくし、モバイル端末へ自動転送できる仕組みに変更しました。その結果、社員は決まった席に縛られずに働けるようになり、フリーアドレスやテレワークも実現。コロナ禍でも大きな混乱なく在宅勤務へ移行できたのは、こうした改革を以前から進めていたからです。

さらに、事務職の役割も大きく変わりました。これまでは伝票入力などが中心でしたが、現在は物流データを分析し、お客様へ改善提案を行う仕事へとシフトしています。単に事務作業を効率化するだけではなく、より付加価値の高い仕事へ転換できたことは、大きな成果だったと思います。

こうした業務改革によって、当社では10人分の労働力に相当する時間やコストを生み出しました。ただ、業務改革は効率化して終わりではありません。生まれをどう活かすかまで考えることが重要です。

ちょうどその頃、先ほどお話しした都田流通センターの開設を進めていました。効率化によって創出できた人材を新しい物流拠点へ配置したことで、新たな人員を増やすことなく、事業を拡大できました。

 

DXを目的にせず、現場の「変えたい」をデジタルで実現する

──通常の業務と並行しながら、限られた人数で改革を進めるのは大変だったと思います。どのように進めていったのでしょうか?

実は、業務改革を始めた2015年当時は、「DX」という言葉すら知りませんでした。デジタル化を目指して始めたのではなく、「10年後、20年後も会社が生き残るためには、何を変えるべきか」という問いが出発点です。

最初に、当時40歳前後だった若手管理職3人を集め、「これから会社が生き残るために、何をすべきだと思うか」を考えてもらいました。その議論から見えてきたのが、「業務のスリム化」「営業力の強化」「品質向上」という3つのテーマです。

さらに、それぞれのテーマに20代の若手社員も加わり、約1年間かけて議論を深めました。そこで、「業務はできる限りデータ化したほうがよい」「従来の仕事の流れそのものを見直そう」といった方向性が固まっていきました。

続いて、社員たちが業務の流れを一から整理し、それを実現するために必要なシステムを選定し、開発しました。仕様書づくりなど、一部は専門家の力を借りましたが、どのような仕事の流れに変えるのか、その中身は社員自身が考えています。

一般的には、先にシステムを導入し、それを現場に使わせようとすることもあります。しかし、現場が必要としていない仕組みをトップダウンで開発しても、反発が起き、定着しにくいのではないでしょうか。

当社では、現場から「このような仕事の流れにしたい」「この作業を変えたい」という意見を出してもらい、それを実現できるようにシステムをつくりました。社員自身が考えた仕組みだからこそ、現場でも受け入れられやすく、実際の業務にも定着していったのだと思います。

最初から期限や計画を細かく決めていたわけではありません。一つのテーマを社員に考えてもらい、答えが出たら、「もう少し広げられそうだ」と次の段階へ進む。その積み重ねによって、結果的に約3年にわたる業務改革になりました。

こうした改革を進める際に大切なのは、「DXを目的にしないこと」です。DXの「D」はデジタルですが、本来重要なのは、変革を意味する「X」のほうです。会社が生き残るために、まず何を変えなければならないのかを考え、その手段として必要であればデジタル技術を使えばよいのです。

会社によって、歴史も文化も、働いている人も異なります。そのため、他社で成功した方法をそのまま持ち込めば、同じようにうまくいくとは限りません。当社の改革も、現場をよく知る社員が、自分たちの会社に必要な変化を考えたからこそ実現できたのだと思います。

 

創業120周年を機に、従来にない「働き方改革」を目指す

──今後取り組もうとしていることは、何かありますか?

来年、創業120周年を迎えます。その節目に向けて、これまで以上に大きな働き方改革に取り組もうと考えています。

詳細はまだお話しできませんが、テーマは「本当の意味での多様性」です。最近は、SDGs、ダイバーシティといった言葉が広く使われています。ただ、制度を導入すること自体が目的になり、本来の意義が見失われているケースも少なくないと感じています。

私たちが目指したいのは、一人ひとりが自分らしく力を発揮でき、会社としても持続的に成長できる働き方です。そのために必要な制度は何か、何を変えるべきなのかを改めて考え、当社らしい形で挑戦していきたいと思っています。

いまトレンドだから取り入れるのではなく、会社の将来や社員にとって本当に意味のある改革を続けていく。それが、これからも大切にしたい考えです。

 

子育て支援を支える、業務改革と還元の好循環

──子育て世代の支援をはじめとする一連の取り組みに込めた思いを聞かせてください。

現在も、「当たり前」を見直す取り組みは続けています。その一つが、フォークリフトで行っている構内搬送の見直しです。一部を台車による運搬へ置き換え、将来的には自動搬送ロボットを組み合わせることで、誰でも担える仕事へと変え、より効率的な搬送体制を築こうとしています。

こうした業務改革は、単に仕事を効率化するためのものではありません。社員が安心して長く働ける環境を整え、会社を将来にわたって存続させるための土台だと考えています。

よく「女性活躍」や「子育て支援」を目的にしていると思われますが、私たちが目指しているのは、会社を存続させ、この地域に貢献し続けることです。業務改革も、女性活躍も、子育て支援も、そのために必要な取り組みとして進めてきました。

制度を持続させるには、それを支える原資が欠かせません。社員一人ひとりが業務改革によって成果を生み、その成果を給与や賞与、福利厚生、子育て支援などの形で還元する。そこで生まれた意欲や成長が、さらに次の改革へと発展していく。この好循環を続けることが、会社を次の世代へ受け継ぎ、地域に貢献し続ける力になると考えています。

 

若い組織だからこそ、長期的な経営ができる

──会社を次の世代へつないでいくうえで、平均年齢34歳という若い組織には、どのような意味があるのでしょうか?

この数字は、会社にとって大きな強みだと考えています。地方の中小企業では、採用が年々難しくなっています。だからこそ、入社した若い人材に長く働いてもらうことが、これまで以上に重要です。

例えば、今後10年間、思うように採用できなかったとしても、平均年齢34歳であれば10年後でも44歳です。急激に高齢化するわけではないため、その間にAIやロボットなどの技術を取り入れ、人手不足を補う体制を整える時間的な余裕があります。

一方で、平均年齢が高い組織では、どうしても短いサイクルで物事を考えざるを得ません。だから私は、人事や総務にも「平均年齢を30代で維持しよう」と伝えています。何もしなければ、平均年齢は毎年1歳ずつ上がっていきますから、継続的な採用は欠かせません。

18歳で入社した社員がいれば、教育や研修に時間をかけながら、40年、50年という長いスパンで成長してもらえます。将来を担う人材を計画的に育成できるからこそ、会社も目先の課題だけではなく、10年後、20年後を見据えた経営ができるようになるのです。

平均年齢を若く保つことは、単に若い社員を増やすことではありません。長期的な視点で人を育て、新しい技術や変化を取り入れながら、会社が挑戦し続けられる基盤をつくることに意味があります。そうした組織を整備して、これからも地域に必要とされる会社であり続けたいと考えています。

 


<産後パパ育休を取得した男性社員>

「仕事は任せて、家族を支えてこい」安心して育休を取れる風土がある

休日は、子育てとバスケを楽しんでいる刑部さん

営業部 係長
刑部 健吾さん

2023年、第二子が生まれた際に、社内で初めて産後パパ育休を取得しました。営業部で新規顧客の開拓を担当しているため、長期間仕事を離れることには不安もあったのです。そこで、約4週間の休業を2週間ずつに分け、仕事の状況を見ながら利用しました。

休業中は、活発になってきた上の子の相手や食事づくり、子どもの入浴などを担当。家事や育児を担えたこともよかったのですが、最も大きかったのは、妻と話す時間が増えたことです。子どもが寝た後や平日の昼間に、ゆっくり会話をする時間が生まれ、妻の話にもじっくり耳を傾けられました。

育休を取得できたのは、上司や同僚の支えがあったからです。私の担当業務を引き継ぎ、「奥さんをしっかり支えてこい」と背中を押してもらえたので、安心して休むことができました。

私の取得後は、倉庫の現場やトラックドライバーも制度を利用しています。後に続く社員から、取得期間や分割方法について相談を受けることもあります。制度の説明だけでなく、自分がどのように利用したかを伝えることで、具体的にイメージしてもらえるようになりました。

育休は、制度があるだけでは利用しにくいものです。周囲が快く送り出し、仕事を支えてくれる環境があってこそ、安心して取得できます。家族との時間を大切にできることが、仕事にも前向きに取り組める力になっています。

 

<復職後も20年近く現場で活躍する女性>

声をあげれば、職場はもっと働きやすくなる

フォークリフトの免許を持つ、3児の母・萩原さん

白鳥流通センター
係長
萩原 千洋さん

高校卒業後に入社し、約20年にわたって倉庫の現場で働いています。フォークリフトを使い、荷物の受け入れや運搬、保管、トラックへの積み込みなどを担当しています。

入社当時、倉庫の現場は男性が中心で、女性はまだ少数でした。しかし、会社が女性採用に注力してくれたおかげで、現在、私が勤務するセンターでは、スタッフの半数以上を女性が占めています。子育て中の社員も多いため、育児の悩みを相談したり、子どもの体調不良で休む人の仕事を補ったりすることも自然になりました。

社員の意見を聞き、制度や職場環境の改善につなげてくれることも、浜松倉庫の魅力です。例えば、食堂は現場からの声を受け、明るく過ごしやすい空間に改装されました。2026年度には、保育園の延長保育料を会社が補助する「延長保育手当」も導入されました。お迎えの時間を気にして慌てることなく、仕事を終えてから余裕を持って帰れるため、利用している社員からも好評です。

私自身も、中学2年生、小学1年生、年少の3人の子どもを育てながら働いています。妊娠や出産を経ても復職でき、仕事と子育てを続けられる。さらに、現場の声を伝えれば、会社がより働きやすい環境を一緒につくってくれる。こうした安心感が、約20年にわたって働き続けられた理由だと思います。

 

<コンテストの企画書づくりに抜擢された新入社員>

入社1年目の挑戦が、大賞につながった

入社2年目で、人事だけでなく広報も担当している吉原さん

人事総務部
吉原 美歩さん

入社後は、各営業所を回り、現場の仕事や会社全体の業務について研修を受けました。その研修が一段落した頃、上司とともに、浜松商工会議所が主催する子育て世代支援セミナーに参加。

当時は、子育て支援に関する知識も十分ではなく、社内で働く子育て世代が抱える課題も分かっていませんでした。そこで、実際に子育てをしながら働く社員に話を聞くことから始めたのです。「残業になると保育園のお迎えに間に合わない」「延長保育料が負担になる」といった声を聞き、制度をつくるだけでなく、実際の働き方に合った支援が必要だと気づきました。

そして、このヒアリングをきっかけに、延長保育手当の新設や時短勤務制度の拡充など、社員の声を反映した制度も生まれました。

その後、子育て世代活躍企業コンテストへ応募することになり、申請資料の作成を任せてもらうことになったのです。社員へのヒアリングで得た内容を整理し、社長の考えや想いを伺いながら、何を強く伝えるのかを何度もすり合わせました。

その結果、私たちの取り組みは大賞に選ばれました。入社してまだ1年目だったため、自分が携わった資料が会社の受賞につながるとは思ってもいませんでした。試行錯誤しながら進めてきた仕事が評価されたことが本当にうれしく、受賞を知ったときの驚きと喜びは今でもよく覚えています。

 

取材・文/西谷 忠和

 

浜松倉庫株式会社様 公式サイト
https://www.hamamatsu-soko.co.jp/

 


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