運用担当紹介「《採用現場》と《高座》で磨いた表現の引き出し」

《採用現場》と《高座》で磨いた表現の引き出し

「伝える工夫」を試す楽しさ

新卒で広告代理店に就職後、フリーランスのライターとして活動。
当法人には立ち上げメンバーとして加わりました。
これまで携わった案件の中で特に印象に残っているのは、北海道・富良野市でのスノーモービル係員の採用支援です。
当初「ガイドスタッフ」として3週間掲載しても応募者はゼロ。
経験したことのない業種であり、勤務開始日まで残り少ないなかで、本当に採用できるか、大きな不安を感じていました。

そこで「ガイド」のハードルの高さがネックになっていると仮説を立て、顧客へ業務内容の詳細なヒアリングを行うことに。
すると、業務の本質は高度な接客対応ではなく、「スノーモービルに乗るための手順説明や誘導」などがメインであると判明。
「スノーモービルに乗ることができればOK」という実態に合わせ、スノーモービルを操縦できる層へ、ピンポイントに響く求人へと刷新しました。
結果、わずか9日間で5名の応募が入り、2名の採用に繋げることができたのです。

この経験から、顧客の状況を深く知ることで「届ける言葉」が変化すると実感しました。
対話を通じて得た現場のリアルを、求職者にまっすぐ届ける。
そんなプロセスに、大きなやりがいを感じています。

真面目さを武器に変える、高座での仮説検証

「感情が表に出にくく、真面目そう」――周囲からよくそう言われてきました。
かつては自分の話で場を盛り上げることが苦手で、「引き出しの少ない自分」に、人としての深みをどう出せばよいのか悩んでいた時期があります。

転機となったのは、北海道への移住でした。
知り合いが一人もいない新天地で一から人間関係を築く必要があり、自分のアピールポイントを改めて考える機会になったのです。
自分には何もないと思っていたからこそ、「もっと掘り下げてみたい」と思ってもらえるような、引きのある人間になりたい。
そんな思いから、素人落語のサークルに入り、趣味で落語を学び始めました。

学び始めて3ヶ月で初めて高座に上がりました。
そこで得た気づきは客観視点の重要性です。
当初は面白いことを言おうと力んで空回りしていましたが、むしろ真面目そうな自分の不器用さや、真剣に悩み葛藤する姿を滑稽に演じたときに、初めてあたたかな笑いが生まれました。
「自分をどう伝えれば相手に届くのか」を、高座でひたすら仮説検証する。
この試行錯誤を経て、弱みや苦労ですら面白がる視点こそが、私が求めていた「深み」の一つなのかもしれないと気づかされました。

インタビュー・執筆:F.Hさん